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タイトル名 |
9デイズ |
レビュワー |
ザ・チャンバラさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2004-07-05 11:39:46 |
変更日時 |
2010-09-22 21:09:41 |
レビュー内容 |
最初から最後まで止まらないクリス・ロックのマシンガントークに疲れました。面白黒人という設定は必ずしも悪いわけではないのですが、冗談を言ってもいい場面とシリアスに徹するべき場面の区別がまったくなされていないために、「なんでこんな時におしゃべりを続けるの?」と度々不快な思いをさせられます。また、彼のアマチュア感覚が最後まで抜けず、エージェントとしての活躍を見せる場面がないことにも違和感を覚えます。主人公が少しずつ成長を見せ、クライマックスで大仕事をやってのけるというのがこの手の映画の常套手段ではないのでしょうか。最後の最後まで私情しか考えず、核爆弾がカウントダウンをはじめても「彼女を探す!」と言い続けるに至っては本当にイライラしてきます。主人公のみならずCIAの描写もお粗末で、国防の最前線に立つ彼らが無知な素人に悪態つかれっぱなしでは格好がつきません。プロとしての凄まじい技量を披露したり、窮地に陥った主人公の盾となってミッションに対する覚悟の違いを見せつけるような場面は必要だったと思います。そっくりさんを潜入工作員に仕立て上げるという物語では「アサインメント」という映画がありましたが、あちらでは工作員の世界をストイックに描写することで映画全体が引き締まり、主人公のドラマも充実させることに成功していました。そんな先例と比較すると、本作はすべての要素が緩いために見ごたえのない作品となっています。。。ブラッカイマーは「ビバリーヒルズ・コップ」の成功をもう一度と90年代以降も黒人主演のアクションコメディを何本か手掛けているのですが、クリス・ロックやマーティン・ローレンスは、エディ・マーフィーと比較するとスターとしての力量がまったく及んでいないように感じます。エディの場合はベラベラと冗談を言っていてもそれほど邪魔には感じなかったし、軽口を止めて真剣な顔をした瞬間に映画全体がグっと引き締まっていました。彼には映画全体の空気を支配するような並外れたオーラがあり、シリアスな場面に対応できるだけの演技力が備わっていたのです。一方ロックの場合、コメディアンとしての資質はエディと同等であっても基本的ににやけ顔であるためシリアスな場面に対応できないし、演技の引き出しも少ないためにコメディ部分でしか個性を発揮できません。彼にエディの代わりをさせようとしたこの企画は、根本的に誤っていたと思います。 |
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