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タイトル名 |
コールド マウンテン |
レビュワー |
ザ・チャンバラさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2004-11-24 01:11:47 |
変更日時 |
2004-11-24 01:11:47 |
レビュー内容 |
トム・クルーズ、ブラッド・ピット、ダニエル・デイ・ルイスらが主演を希望したという注目作だっただけに、非常に上質な仕上がりになっています。しかし、骨の髄まで染み渡るような感動や興奮がなく、これまた話としてはうまくまとまっている「タイタニック」を見た時と同じ印象です。あらゆる要素が破綻なく上手にまとまっているのですが、いま1歩のところで感動を逃してるんです。アンソニー・ミンゲラという監督はストーリーを語ることについては一流ですが、その語り口が上品すぎて、エモーションは十分に伝わってこないんです。エイダとインマンは戦争がもたらすさまざまな不条理を経験するわけですから、そこでの怒りや怨念をもっと前面に押し出してくれれば、ただでさえ散漫な話でも、もっと盛り上がったはずです。たとえば、男達が戦争に行ってる間に、コールドマウンテンで悪徳保安官ばりに振舞っているティーグ一派。彼らと住民達の相克をエイダ側の物語の基軸とすれば、観客はよりエイダの境遇に同情できたはずです。そしてラストでは、帰って来たインマンとティーグの対決という図式をもっと明確にしてくれれば、クライマックスはよりエモーショナルになったことでしょう。西部劇としては「許されざる者」を越えたかもしれません。しかしミンゲラはあくまで上質なドラマ作りにこだわったようで、泥臭い対決という図式は意識的に避けているようにさえ感じました。ただ話を客観的に振り返れば、映画全体における憎まれ役は間違いなくティーグであり、彼の印象をより強烈にし、彼を基準として登場人物や展開を配置すれば、話全体のインパクトもより上がったはずです。これは非常に残念ですね。演技のレベルはおおむね良好で、とくにナタリー・ポートマンは「こんなに演技力があったの?」とビックリするほどでしたが、主演2人が水準レベルだったのが残念。主演にも関わらずジュード・ロウの存在感は薄く、ニコール・キッドマンは同様の役を演じた「遥かなる大地へ」の方が印象的でした。父親役はドナルド・サザーランドでしたが、どうやったらドナルド・サザーランドからニコール・キッドマンが生まれるんでしょう?2ショットを見るたびに気になりました。 |
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