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タイトル名 |
スチームボーイ STEAM BOY |
レビュワー |
はなぶささん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2005-11-20 23:49:19 |
変更日時 |
2005-11-20 23:49:19 |
レビュー内容 |
映像の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいほど素晴らしく感動させられた。しかし、物語やキャラクター設定に多くの問題をきたしているし、テーマがはっきりとは見えてこないなど、日本のアニメとは思えない出来で、がっかりさせられる。
美しいCGを観るために、僕たちは映画館に足を運んでいる訳ではないはずだ。僕たちは美しいCGがあることは、当たり前なのであって、それでなおかつキャラクターが魅力的であって、物語が起伏に富んで面白い映画を観に来る。ことに、本作のように、娯楽映画を狙った作品なら、当然やっていなければならないことであろう。
日本のアニメないし漫画は、そうした点では素晴らしいものが枚挙にいとまがないほどに存在する。まじめにサブカルチャーを語る連中からは敬遠されがちな『ドラゴンボール』という漫画も、キャラの設定はなかなかのものであって、僕らは具体的なキャラクターに対して、想いを寄せることができる。いわゆる「萌え」ることができるのだ。日本の漫画はそうした点に大変長けている。オタクくさい漫画であればあるだけ、そうした点に長けている。『ガンダム』というアニメも、いかにもオタクくさいが、人目見て「萌え」られそうなキャラクターがわんさかいる。そうした、キャラに萌えることができる、客の心理をアニメを売ろうとする人々がちゃんと分かっているのだ。特に本作のように20億円もの資金を投じたというような作品なら、キャラの魅力について考えて当然である。だが、していない。これでは、いくらCGに金をかけたって、観客が満足する訳がない。企画の段階で疑問に思わなければならないはずだ。
多くのレビュアーがそう思うように、『スチームボーイ』は宮崎駿の『天空の城ラピュタ』に似ている。だが、当然似て非なるものである。それは物語にしてもそうだし、キャラクターの設定にしてもそうだ。『ラピュタ』では、パズーなりヒロインであるシータなり、あるいは空賊のボスであるドーラというおばさんでさえも、どんな人物か説明がなされていた。そうでなければ観客は映画にハマれないからである。しかし、『スチームボーイ』は、題材は『ラピュタ』に似ていても、肝心なところで、パクろうとしていない。CGだけは『ラピュタ』を遥かにしのぐが、それだけである。結局、「スチームボール」は、「飛行石」にはなりえなかった、ということであろうか。残念である。 |
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