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タイトル名 |
せかいのおわり |
レビュワー |
wunderlichさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2008-05-08 15:21:34 |
変更日時 |
2008-05-08 15:21:34 |
レビュー内容 |
主人公の女の子は、素敵な人と出会った瞬間に、別れの瞬間が来ることを想像してしまうタイプの子。感覚はすごいよくわかる。幸せであるがゆえの不安。その不安がぬぐいきれないために、本当に大事な人とは一線を越えられない。本当に大事な人とは、絶対に終わりたくないがゆえに、始まりたくはない。そういう切なさ。これを「傷つくことがこわいんでしょ」とか、片付けないでほしい。本当に大事な人とは、自分の世界の根底を構成している人のことである。本当に大事な人と「終わる」とは、「傷つく」ことでは済まされない。世界の崩壊を意味する。ラストで落とし穴に落ちたふたりが見つめる「落とし穴の形に切り取られた空」は、通常の地面からひとつ落ち込むことによって、世界の景色を変えるという高等なテクニックをうまく説明できている稀有な例だろう。「もし、世界がおわって、ふたりだけになっても、一緒にこうやって空を見てくれる?」やけに沁みるではないですか。劇中に登場する植木屋さんの名前『苔MOSS』もMossは英語で苔だから、「苔苔」だみたいなところもいちいち素敵。全面降伏です。
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