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タイトル名 |
スカイ・クロラ The Sky Crawlers |
レビュワー |
wunderlichさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-10-17 18:01:47 |
変更日時 |
2008-10-17 18:01:47 |
レビュー内容 |
「アニメーションには表情が欠けている。」とは小栗康平監督の卓抜な指摘である。実写映画にある「人間の表情の深み・多義性」が、アニメ映画においては決定的に欠けている。通常は欠点とされるべきこのアニメ映画の特性を、逆に利点とする方法があるとすれば、それは「表情のない人間」を描くことだろう。押井監督は、このアクロバットな手段を使いこなし、物語を紡ごうとする。繰り返される日常の退屈を紛らわせるために行われる娯楽としての戦争、成長しないキルドレ、すべてのモチーフが「表情の欠如」とリンクしている。もちろんそれぞれのキャラクターには声色があり、物語における役割も与えられている。しかし、そこにやはり表情はない。もしも、現代がだんだんと表情を失っていく時代であるとすれば、この映画は、表情を失うというある種の絶望のあとに開ける、わずかな希望を表明しているとも言えるかもしれない。 |
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