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タイトル名 |
パーマネント・バケーション |
レビュワー |
wunderlichさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2004-12-22 13:12:45 |
変更日時 |
2004-12-22 13:12:45 |
レビュー内容 |
自ら音楽を口ずさみ、それに合わせて踊りだす主人公。世界のあらゆるものから音楽を聴き、それにあわせて舞うように生きるジャームッシュ。これはまさに荘子から連なる東洋的叡智の現在形である。観客にとっては90分強の短い「バケーション」だが、この映画はジャームッシュの根本的な態度の表明だから、その密度は異常に濃いし、重い。その一方で、軽やかな舞踊に似た雰囲気を表面に流していて、絶妙なバランスを成り立たせている。ラストは高層ビル群を背景に、少しづつ消えていく航跡のショット。私たちはそのうち消え去る。私たちの足跡すらもいずれは消える。ジャームッシュの存在論は、この映画に尽くされている。これ以降の課題は「時間への異常な愛情」となって振舞われることになる。 |
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