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タイトル名 |
関ヶ原 |
レビュワー |
杜子春さん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2017-09-08 13:43:26 |
変更日時 |
2017-09-08 13:43:26 |
レビュー内容 |
司馬遼太郎好きなので、小説関ヶ原も勿論好きです。映画は…というと、早口となまりと叫びがひどくて、セリフが聞き取りづらく何を言っているのか分からない。本当に字幕がほしいと思いました。(平日の映画館、シルバーな方ばかりでしたから、きっとそう思われた方も多かったのでは。)熱演はされていましたが、岡田演じる石田三成も、役所広司の家康も、ちょっといまいちで、不死身のかすみちゃんはまあいいとして、全体のストーリーが掴みづらく、主題を島左近とか三成の苦悩とかに絞ったほうがいいのではと思いました。カメラワークも河原の決闘みたいで近すぎて、あの広大な関ヶ原という舞台を活かすなら、もっと引いて戦場の全体のカットが欲しいと思いました。(アラビアのロレンスはすごい!)三成役の官兵衛?さんは、永遠の0でも、関ヶ原でも死に瀕した切迫感がなく、どーせ撮影が終わればまた爽やかにTVに登場するのでしょうね、と思わせてしまいます。(死に瀕しての過緊張=アドレナリン出まくり!顔面蒼白、血圧上昇、頻脈、冷や汗、瞳孔産大、髪は逆立つボサボサくらいを演じないと。)それに比べて役所広司はさすがでした。役作りでしょうか、あのみごとなたいこ腹。しかしどうも元々家康のイメージと乖離があり、映画を見終わって最後まで印象に残ったのは、あのほてい腹と泥の中で格闘するかすみちゃんのキラキラした目、それに最後まで善戦していた大谷刑部でした。 この戦い、西軍についた、石田、大谷、宇喜多らが正義だったのだと思いますが、正義は勝たないと正義になりません。勝ったのは家康、その結果徳川が正義となったのです。西軍敗戦の主因は、チームワークの欠如(動かない島津、毛利、長宗我部)と三成の人望のなさ…。元々西軍に力のあるリーダーはおりませんし、関ヶ原=豊臣家臣団の内紛ですから。関ヶ原一体全体を視界に入れたハイビジョンカメラで、各武将の布陣と戦闘を絵巻物のように綴り、ドローンによる空撮で、壮大な関ヶ原を新しい視点で捉えた方が面白かったのでは…? 聞き取れないセリフより、旗指物、法螺貝、戦闘の太鼓、火縄銃、弓矢の飛ぶ音、刀や槍が交わる音、そこに刷り込まれた虚々実々の人間模様が見たかった。 |
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