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タイトル名 |
硫黄島からの手紙 |
レビュワー |
田吾作さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-12-13 17:06:43 |
変更日時 |
2006-12-13 17:18:26 |
レビュー内容 |
硫黄島2部作の2作目という位置づけのため、1作目である「父親たちの星条旗」を先に見ておいた方が良い。「父親たち~」では、いつものアメリカ映画に登場する(不気味な)ステレオタイプの日本兵しか出てこないが、本作は、その日本兵側に視点を移し、その独特の思想にもとづく心理背景が冷静に活写されている。この恐らくは映画史上初めてといってよいアプローチに対し、特にアメリカ映画界で高い評価を得ていることに加え、現代においてこの作品自体に大きな意味があることは確かだ。しかし、惜しむらくは硫黄島での過酷な状況をもっとリアルに描いて欲しかった。トンネル内でうまそうに飯を喰っていたり、全体的に妙に涼しげだったり、「臭い」「暑い」「水が少ない」といった硫黄島での苦しみに加え、味方こそが最大の敵だった、という人間同士の葛藤がもう一歩伝わってこない。自分自身が戦争映画を数多く観てきて残酷描写に慣れてきたせいもあるが、期待したほどの感傷を得ることはできなかった。しかし、現代日本を我がもの顔で闊歩して歩く10代20代の若者こそ観るべき作品。 |
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