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タイトル名 |
王様のサンドウィッチ |
レビュワー |
おおしまけんいちさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2004-06-28 10:04:32 |
変更日時 |
2004-06-28 10:04:32 |
レビュー内容 |
絵はかわいらしいが痛烈な文明批判。この映画と前後したペレストロイカによって旧ソ連は市場経済になるが、この文明批判は資本主義もソ連型社会主義も根は一つ、と言っているだけに、ソ連批判に留まらずその後の西欧化にまで批判が生きたことで、この監督フルジャノフスキーはローカルな監督に終わらなくなった。 一個のサンドウィッチを作るためには膨大な人員が資材獲得の為に動き、それで得られる物は一人の一食にも満たない。それを王様は「ワシのことをワガママだと言ったものはいない ワシは朝食においしいサンドウィッチを食べたいだけなんだ」と言う。確かに王様はサンドウィッチを作るために領土を侵略して来いとか略奪して来いとは一つも言っていない。 「ワシのことを独裁者だというのか?!」というセリフも、自分がたいしたことをしていないと思っていることを示している。そんなことを言いつつも王様はふて腐れて閉じこもって国政をおっぽり出したり、あとでバターが手に入るとそこにいる人皆に勲章をあげるという無茶苦茶ぶり。市場機構は巨大で、ましてその頂点に立つ人がどうしょうもない人だったらどうなってしまうのか?! なおこの話では資本主義経済の社会分業を分業者を牛や何かに置き換えて漫画化している。この辺資本主義化もペレストロイカの影響なのだろう。
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