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タイトル名 |
地獄:二つの生 |
レビュワー |
タコ太(ぺいぺい)さん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2025-02-23 12:10:02 |
変更日時 |
2025-02-23 18:23:23 |
レビュー内容 |
天使と死神は誰にでも見える(と思われる)世界の物語。天使は体形的には女性(少女?)を思わせるものの、言動や仕草は男性的でもあり、その翼は骨っぽくて飛べそうもない。一般的に描かれる天使とはやや異なるイメージがホラー風味を感じさせてくれます。
そして、その一見異形とも思える天使が、この世に生きる人間の天国行きか地獄行きかを死の直前に告げに来る訳ですが、このあたりの天使の在り方は個人的に抱いている天使の役割・立ち位置と少々異なり、冒頭から違和感(不気味さ)十分でした。
二話それぞれの感想を述べるならば、
パート1では、天使は「地獄の苦しみは生きている時の最悪の苦しみの十倍」と言うけれど、主人公の上司が地獄行きに先立って与えられた苦しみは、十倍なんてもんじゃないだろうと思え、天使の言うことは真に受けてはいけないと思えました。それと、結局天使が主人公に与えた地獄からの逃避行の筈の地下道での生活は、地獄での苦しみの予告編に過ぎず、結局は回り道をさせているだけかも。そもそも生でそんなもの食ったら何かしらの病原菌なり何なりで死んじゃいますって。やっぱ既に死んでいる?なので、つくづく天使の言葉は信じられないなぁという感じです。
パート2では、天使に与えられた5日間は主人公にとって最終試験のようなもので、母親、彼氏、母親、彼氏と試験された末に結局落第みたいな感じに思えました。なので天使は予め地獄行きを決めていたんじゃないかとまたもや不信感。だいたいからして母親の遺書は矛盾していて、一緒に逃げても先に行っても結末は同じとしか思えない。なのに逃げろと言われても。これも天使の策略か?やっぱり不信感。そんな感想です。
両話通じて思ったことは、ここで描かれている社会の閉塞感。何をやっても結局地獄。天国行きを言い渡されても所詮は目の前にぶら下げられたエサ。夢も希望もあったもんじゃない世界を覆い尽くしている絶望。メンタルやられそうな1本でした。あがいた末の絶望を見せられてもただ萎えるばかりかと。
ちなみにこれはロトスコープでしょうか?妙に生々しいアニメ。作品内容からすれば相応しいかも知れませんが、個人的には好みではない絵面。暗く陰鬱な画面に蠢く人物たちに疲れてしまいました。 |
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