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タイトル名 |
タイタンの戦い(2010) |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
3点 |
投稿日時 |
2010-05-02 16:46:58 |
変更日時 |
2010-05-03 13:19:09 |
レビュー内容 |
序盤で、船上のペルセウスらがゼウス像を見上げ感嘆する場面がある。本来ならここに像の表情と威容を人間側からの仰角で捉えたショットが続くのが一般的だろうが、この映画は、なぜか天上から像の肩越しに船を俯瞰するショットを入れる。映画を最後まで見ていくと、どうやらこれは3Dの視覚効果だけに専心した結果の画面構成らしいことがわかる。つまり海面を背景に、画面手前にある像の頭部の立体感を強調するだけが目的の画面ということ。神々のドラマでもあるわけだから、こうしたいわゆる神の視点があっても良いわけだが、もちろんこれは視点の演出などではなくその場限りの立体感覚狙いでしかない。その立体感は、縦構図に様々に被写体を詰め込み配置することが必要なため、画面は逆に狭まり、スケール感を失っていく(一例:神々の集う広間の場面)。3Dありきの画面は縦移動を多用するが、これらは主人公の主観と一致するわけでもなく、心理の同化作用に至らない(例:硬貨の水切り、メドゥーサの落下)。『アバター』の高所感覚との大きな違いはここだろう。結果、ドラマと画面は同調せず随所で違和感すら生むこととなる。映画の低調なエモーションはこうした場当たり的3Dショット主義のみならず、もちろん作劇の怠慢にも起因する。オリジナルでは、荒れるペガサスを手懐けるまでの丁寧なストップモーションがあってこそクライマックスの疾駆と移動のシンクロが素晴らしい詩情を生むのだが、この映画はその辺りまるで理解がないらしい。猟師家族や、共闘する同志たちの人間関係描写もそうだが、これらは省略ではなく、単に欠落しているだけだ。 |
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