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タイトル名 |
トゥルー・グリット |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2011-05-21 17:42:49 |
変更日時 |
2011-05-21 21:02:58 |
レビュー内容 |
秋口の景観が印象的なヘンリー・ハサウェイ版(69)とは大きくトーンを異にし、こちらは原作に忠実な冬枯れのロケーション。 粉雪が風に舞う山岳地帯の寒々しさがいい。 黒の濃い「夜用の夜」によるナイトシーンも増え、映画のルックは現実的で渋く冷たい。
シネスコ画面を活かした(『許されざる者』的)長大な地平線のライン、スコープ内の像と空砲の音響の時間差、そうした劇空間の広大さや距離感の演出も徹底している。
その中で、ジェフ・ブリッジスが傷ついたヘイリー・スタインフェルドを搬送する夜の画面が美しく味わい深い。
夕景から夜景へと移り変わる地平線を馬が駆けていく夢幻的なイメージの連鎖と、娘が星空を背景にした「父親」を仰ぎ見るショットの古典的画像処理は一際輝いている。
一方で、より「叙事詩」的となり人間ドラマに傾注した感のあるコーエン版は、ハサウェイ版でジョン・ウェインが酒瓶を指に引っ掛けてグイ飲みする粋な仕草や、馬上でライフルを回転させる手捌き、キム・ダービーが急坂を転げ落ちる動作といった(内面性を伴わない)西部劇的アクションの大らかな魅力を必然的に欠いてしまってもいる。
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