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タイトル名 |
ヨーロッパ一九五一年 |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-06-22 23:58:33 |
変更日時 |
2012-06-23 00:12:08 |
レビュー内容 |
ネオリアリスモの作品においては、 単に荒廃した街のロケーションが映し出されるだけではなく、 そうした光景を目撃する人々もまた映し出されているということを喝破したのが、 ジル・ドゥルーズ。
目撃する者が写し込まれているからこそ、 その映画の情景はより生々しく強度を帯びるという分析である。
この映画でも、 無機質な工場のラインを、川辺の貧困家庭を、低所得者の安アパートを 目撃するイングリッド・バーグマンの表情が写し込まれることで、 彼女の視線に擬えて捉えられた情景はより印象深く、迫真のものとなる。
そして映画のラストにおいて、 バーグマンもまた子供たちの見上げる視線によって目撃の対象となることで、 その表情のクロースアップは一段と映える。
ノワール風の夜の照明も含め、全体のムードはペシミズムを漂わせながらも、 ラストの微笑の聖性と、ジュリエッタ・マシーナの快活さ、そして子供達の純真さに ロッセリーニのオプティミズムが滲む。
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