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タイトル名 |
花と龍(1973) |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-11-09 22:21:16 |
変更日時 |
2014-11-09 22:21:16 |
レビュー内容 |
船着場のシーンなどでは海面すれすれからのショットも数多く、相当撮影には 苦労したのではないだろうか。低位置撮影の徹底ぶりには頭が下がる。
映画の中盤、荷役船から陸へと着物の裾を翻しながら軽やかに飛ぶ女の 足元がその水面すれすれからのローアングル&スローモーションで鮮やかに捉えられる。 二役:倍賞美津子の鮮烈な再登場シーンだ。
そして彼女と香山美子がそれぞれ仁義を切る見事なシーンへと続いてゆく。
年月の隔たりが、面影そのままの倍賞と石坂浩二の二役を配することによって よりエモーショナルに印象付けられるのだ。
または渡哲也のメイクの変貌以上に、妻として母親として香山が次第に身に纏っていくタフネス・逞しさとして表現されるのも感動的である。
時に泣き、動揺しつつも、正念場では男たちを諌め、馬を駆り、 ラストでは悠然と煙管を燻らす。
それら彼女の凛々しく健気な表情と佇まいが要所要所で輝いている。
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