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タイトル名 |
サウルの息子 |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2016-09-30 22:59:58 |
変更日時 |
2016-09-30 22:59:58 |
レビュー内容 |
クロースアップされた前景の対象に領域を阻まれて部分的に隠されるがゆえに、ソフトフォーカスの滲みによって暈されるがゆえに、その後景の蠢きは 即物的な音響と共に存在感を以て逆に前景化される。感情を失い硬直したかのような主人公の表情と拮抗しながら。
意地悪く云えば、そうした作り手の目論見は冒頭の段階で露見するし、 やがては主人公が何らかの感情を顔貌によって表すだろうことも予想出来てしまうのだが、 映画中盤で女性と密かに触れ合う手の動きが伝える感情や、ラストでカメラと正対する主人公の表情の凄みは、その予想を超えて圧倒する。 |
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