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タイトル名 |
キプールの記憶 |
レビュワー |
ユーカラさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2015-11-18 23:56:11 |
変更日時 |
2015-11-19 11:03:56 |
レビュー内容 |
朝方、非常事態宣言下にある無人のイスラエルの街。陽の光の滲む地平線から姿を現すヘリ。 土地の空気を的確に掬い取るレナート・ベルタの撮影がやはり素晴らしい。
本物の雨なので雨滴は画面に映らないが、雨の質感と湿潤の感覚ははっきりと伝わってくる。
ヘリからの圧巻の空撮がある。戦車が残した無数の轍がぬかるみとなって緑の平原に延々と広がっている。 冒頭の絵の具塗りたくりにも相通ずる、緑と茶の網目状模様とその堆積が、戦乱の激しさとともに歴史をも意識させる。
あるいは、数人がかりで負傷者を運ぼうとするがなかなか捗らない様。そのもどかしい時間の重みこそ アモス・ギタイの伝えんとするものだ。 |
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