|
タイトル名 |
悪魔の手毬唄(1977) |
レビュワー |
Tolbieさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-04-23 17:57:55 |
変更日時 |
2012-04-23 17:57:55 |
レビュー内容 |
金田一耕助というのは、追っかけ追っかけ事件を解決する「防御率」の低い探偵として知られている。全部とは言わないが、彼の事件解決法は多くの場合、昔の事件の資料や証拠を現場ではない場所へ行って調べてくる、というもので、他の名探偵と比べると論理によって「コレコレこうだから、それしかありえない!」という推理の見事さがない。そこの所はミステリの醍醐味の一つだから、原作を選んだ時点での大きなハンデといえる。前作『犬神家』の場合は、そんなもの無くても、事件そのものに魅せられるドラマ(愛という普遍的テーマ)が有ったが、今回の事件は状況があまりに特殊で、そういう部分で感動を得るのは難しい。息子が異母兄妹と結婚する羽目になりそうでさあ大変、というのではちょっと心動かされない。 また、これを言ったら酷かもしれないが、事件とその周辺事情が前作ほどシンプルでないため、これだけの時間を使ってもまだ、描き足りない感じが残る。殺人を手毬唄になぞらえる意味とか、里子が入れ替わる部分とか。なにかバタバタとイベントをこなして、事件が解決したような感じ。まあ、それだけ原作に無駄が無いという事かも知れないが、2時間半の映画にするなら、それなりの収拾選択というか脚色・潤色が必要だったろう。 |
|
Tolbie さんの 最近のクチコミ・感想
悪魔の手毬唄(1977)のレビュー一覧を見る
|