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タイトル名 |
ベン・ハー(1959) |
レビュワー |
Tolbieさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-10-28 13:18:00 |
変更日時 |
2012-10-28 13:18:00 |
レビュー内容 |
ジュダ=ベン・ハーが、復讐を果たすまでの波瀾万丈なさまは、本当に面白かった。ガレー船による海戦も、馬車レースも迫力があり、手に汗を握った。そりゃあ、もう8点を付けるだけの面白さだ。 しかし、この物語はイビツである。ジュダは、復讐を遂げた後に、イエスの磔刑を目にして、その教えに心奪われたように描かれる。物語の主題もおそらくそこにある。だが我々はすでに、騎馬戦の勝利と復讐の成就に感情を移入し、大いに溜飲を下げた直後なのだ。ここから「汝の敵を愛せよ」に涙するには、相当な、それこそ宗教的な説得力がないと難しい。元々キリスト教の素地がない普通の日本人には、もっと、ジュダの考え方を根本から突き崩すような、そういうエピソード、そういった描写が必要だったろう。 イビツと書いたのは、ジュダの復讐の成就までと、その後のイエスの奇跡に涙するまでの物語のバランスの悪さと、彼の心の転換部分の判りずらさだ。しかし考えてみると、これは、聖書における旧約と新約のそれに近いのかもしれない。もしかして、これは、一人の人間の人生を使った、聖書そのものだったのだろうか。 |
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