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タイトル名 |
華岡青洲の妻 |
レビュワー |
青観さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2007-09-28 21:53:55 |
変更日時 |
2007-09-28 21:55:53 |
レビュー内容 |
もう直ぐ10月2日、世界で最初に全身麻酔の薬を作り、乳がんの手術を成功させた一人の男、華岡青洲の命日てことらしいけど、そんな訳で借りてきた。これは本当に物凄い女と女の戦いだのし!我が息子を愛するためにと息子の実験台になろうとする母、そんな母に対して自分こそ実験台にと訴える嫁、この二人の戦いが壮絶!の一言ではとても済まされないのし!とにかく主演の二人の女優、高峰秀子と若尾文子の演技が凄いでのし!大石先生とはまるで別人の如く、どこまでも嫁に対して厳しく接する姿には人間として、母親としてのプライド、嫁の加恵(若尾文子)への嫉妬、これは間違いなく女同士のバトル!しかし、そこにあるのは単なる嫉妬を超えた愛情の裏返しとでも言うべきか?二人の演技の凄さも当然のことながら市川雷蔵もこれまた素晴らしでのし!すいません!のしって言葉が頭から離れなくなりそうです。ひたすら医者としての使命を全うし、目的のためなら容赦なしに二人に薬を飲ませて実験を行なうというその凄まじさ、冷酷さ、こういう冷酷な人間こそまるで男の身勝手さを表しているようで、女の愛情だけでなく男の身勝手な部分まで同時に描ききるという恐るべき演出、それにしてもあの薬の実験によって、酔っ払ってしまった猫、あんな映像を容赦なしに描く。それこそ増村保造っていうこの監督の凄まじさを感じる。好き嫌いはともかく人間の持っている悲しさ、身勝手さというものを何だか見せつけられてしまったみたいで、とにかく色々と考えさせらる凄い映画だ!一度は見て損のないそんな作品だと思います。 |
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