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タイトル名 |
真空地帯 |
レビュワー |
青観さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2009-04-03 21:58:50 |
変更日時 |
2009-04-03 21:58:50 |
レビュー内容 |
軍隊なんて所はいかに自由など存在もしなければ、自由すら求める事が出来ない場所であるという答えがこの作品の凄まじいほどのリアルで怖い非人間的な奴らの態度から伝わってきて、やりきれない思いでいっぱいになります。上等兵からの酷い仕打ち、それに対する下級兵からの心の叫び、あの木村功演じる木谷一等兵の才気溢れる演技から伝わってくる。人間の自由を奪う場所、それが軍隊における生活であるとするならば、それを自らの体験を持って書いた原作者である野間宏という人の過去を想像するだけでも物凄いやりきれなさでいっぱいになる。自らのこうした経験があるからこそ本物のリアリテイーを感じることが出来るのである。自分を裏切った者への復讐に燃える木村功の木谷一等兵の怒りの爆発の凄さ、人間は誰かに対して信用すればするほど裏切られた時の怒りというものは恐ろしい。その恐ろしさ、怒りを爆発させる木村功の演技がとにかく怖い。山本薩夫監督の気合の入った演出に応えて見せた俳優陣、軍隊の中では人間なんてものは非人間的であって、如何に惨酷な人間しか作ることが出来ないかというものをここまでリアルに描いた作品はおそらくこの映画が初めてかもしれない。そのぐらい凄まじい力を持った気合の入った恐ろしい映画である。 |
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