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タイトル名 |
悪魔の手毬唄(1977) |
レビュワー |
青観さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2006-12-31 11:49:04 |
変更日時 |
2009-07-16 19:58:51 |
レビュー内容 |
「犬神家の一族」の大ヒットを受けて翌年に公開された横溝正史原作による金田一耕助シリーズ第2作目となる今作も前作同様、奥の深い作品に仕上がっている。単なるサスペンスではないそこにあるのは明らかに家族の物語であって、市川崑監督らしい美しい映像の世界を作り出している。シリーズ史上最も切ない上に犯人、岸恵子演じる青池リカの悲しさが身に染みる。腹違いの子をも怨んで殺すことの苦しさ、そんな青池リカが自分を愛している男、磯川警部(若山冨三郎)の前で涙ながらに自分の胸の内を苦しみながら話す場面、「夫を心底憎めたらあんなことにはならなんだ。酷い男と解ってても好きやった。忘れられまへんのや」て言う場面、それを近くで見ている磯川警部、この二人の思いが物凄く悲しくて涙なしには見れない。岸恵子の存在感ある犯人像、映画史に残る忘れられない犯人像、観れば観るほどどんどんこの作品が好きになってくる。もう、この映画の影響からか?前屈みで歩いてる老婆を見ると全部、青池リカだと思えてしまうぐらい重症です。初めて観た時の強烈さ、インパクトでは「犬神家の一族」のが上かもしれないけど、物語としての完成度、犯人への同情、刹那さ、悲しさなど含めるとこの「悪魔の手毬唄」のが総合的に見て上のような気がしてならない。最初は8点にしたけど、今では満点にしたいぐらいこの作品が大好きでたまらない。よって8点から10点へと変更します。
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