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タイトル名 |
さよなら子供たち |
レビュワー |
青観さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2010-06-05 19:57:51 |
変更日時 |
2010-06-05 19:57:51 |
レビュー内容 |
ルイ・マル監督自身の心の叫びのようなものがひしひしと伝わってくる。監督自らの幼かった頃の体験、戦争が親友を引き裂く。子供にとっては戦争なんて、大人達の、また国の身勝手さの前には何もすることが出来ないという叫びが静かに訴えかける作品になっている。二人の少年の友情と別れ、けして、大げさに叫んだり、わめいたりもしない。戦争映画ではあるけど、派手なアクションシーンもない。ラストのジュリアンとボネの別れのシーン、手を振るジュリアンに対して、それをただ眼で追うようにして、別れをする場面の悲しさ、お互い、もっともっと好きなことを語ったり、遊びたかったに違いない。だからこそ余計に心に染みる別れの刹那さ、言葉を交わすことなく別れてしまう二人の心に残るであろう、悲しみ、大人には解らない子供心の刹那さ、色んな意味でこの映画における戦争というものの許せなさ、校長先生の「さよなら子供たち」という言葉が子供たちの心に忘れたくても忘れられない言葉として、一生残るであろう!タイトルの「さよなら子供たち」何とも悲しく切ない子供たちの別れの映画として、ルイ・マル監督の映画の中でも監督自身が忘れられないと言っているそんな作品であって、また監督がチャップリンが好きなんだなあ!あの皆でチャップリンの映画を楽しそうに観ている場面が出てくるのを観るとそう思わずにはいられなくなるし、悲しい映画の中で唯一、楽しい場面であって、あれは戦争中であっても、映画ぐらいは楽しい映画を!何か一つぐらい皆で楽しみたい。という願いが込められているように感じずにはいられなくなります。ルイ・マル監督作品の中で最も好きな、面白い映画は「死刑台のエレベーター」だとすると、最も悲しくてやりきれない怒りが感じられる作品がこの映画です。 |
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