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タイトル名 |
鬼が来た! |
レビュワー |
承太郎さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2005-11-26 01:23:40 |
変更日時 |
2005-11-26 21:54:40 |
レビュー内容 |
難解な作品ですね。思いきりネタばれで分析してみます。まず、事件の発端になる「私」ですが、「私」が誰なのかは劇中で語られることはありません。映画「CUBE」でも同様の手法がとられてますね。人生ではこういった理不尽なトラブルもあるということでしょうか。トラブルの原因よりも、トラブルから発生する人間模様を描きたいということでしょうか。●この作品は意図的にユーモアは配されています。花屋小三郎がののしるつもりで「お祝い」を言うシーンなどですが、喜劇を入れることで、後の悲劇がいっそう際立たせる効果があるように思えます。●花屋と取引をし、穀物を手に入れる主人公達。しかし、そこから悲劇が始まります。日本軍の隊長になれなれしく話しかける中国人を花屋が殺すことがきっかけです。その際、村の老人が「お前を殺しておけばよかった」といったことから、その老人も殺され、連鎖的に村全体が惨殺されます。●惨殺の原因は花屋です。自分の上官に対しての無礼が許せなくても、殺してしまう花屋はやはりおかしいです。花屋は中国人を下に見ていたのでしょう。隊長も「畜生ども」といっています。●支配しているものの横暴が悲劇の引き金だと思いました。取引の際、村民と打ち解けたかに見えた花屋ですが、心の底では差別する心があったのでしょう。●マーが最後の凶行にいたる際、明確なきっかけはありません。あのシーンを見ると人間が誰でも残酷な殺人者になりうるというのがテーマにも思えます。●事前の伏線から、最後マーの首が笑うのは「天上へ行った」という意味ととれます。すごい剣さばきで殺されたときにその首は笑うのですが、花屋はそんなすご腕ではないはずですし、マーを救いたいという心があるようにも思えません。白黒から、カラーになる演出とあわせると、こんなつらい現世より、死んだほうが救われるという意味かもしれません。●花屋や隊長、子供を刺し殺した野々村は、同じ日本人でもまったく理解できません。中国の方が見たら、確かに日本人が憎くなると思いますが、日本人がみなあんなではないことを理解していただきたい。 |
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