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タイトル名 |
天国と地獄 |
レビュワー |
ジャザガダ~ンさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2005-10-28 03:28:37 |
変更日時 |
2005-10-28 03:29:37 |
レビュー内容 |
さすが黒沢!こんなにリアルで緊迫した映画をつくるなんて!ところで、僕はこの映画には非常に深刻なメッセージが含まれていると感じました。警部が犯人を死刑にしようとする設定はごく自然に挿入されています。この展開に疑問を感じる人は少ないと思います(疑問を感じた人ごめんなさい)。そして我々は、自然に、優秀な警部と気の毒な権藤に感情移入することによって、犯人を死刑にしてやると思ってしまうのです。ジャンキーの女性が実験台になって殺されるあたりからある種の疑問を感じ始め、警部が犯人を追い詰めて「これでお前は死刑だ!」というあたりで疑問は確信に変わるのです。「この警部、やばくない?」と。さらに、山崎努の最後の迫真の演技により、「そういえば俺もこいつを死刑にしようとしていたよな?」と我々の持つ自身の残酷さにこの時はじめて気づくのです。 この映画は我々の残酷な面を映す鏡なのではないでしょうか?
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