|
タイトル名 |
ワールド・トレード・センター |
レビュワー |
とっすぃさん |
点数 |
2点 |
投稿日時 |
2006-10-18 23:18:18 |
変更日時 |
2006-10-21 17:30:14 |
レビュー内容 |
まず、こんなんで「本年度アカデミー賞最有力」とか宣言しちゃうその神経を疑います(そして、もし万が一受賞でもしてしまおうものなら、アカデミー賞に対する信頼なんぞ全て放棄です)。 いや、勿論、911テロ事件で犠牲になった方々や命をかけて救助活動を行った人、その家族、友人達。。。そういう人達への思いは俺も同じです。 でもね、その「鑑賞する我々が持つ、当事者達への痛切な思い」に甘え切っている点で、「映画として」全くの三流だと思う。 ハッキリ言って「世界仰天なんとか」とか「九死に一生なんとか」ってなテレビ番組の15分くらいの生還エピソードの方がよっぽど胸に突き刺さる。 なぜ、これほどまでの事件を(しかも2時間も使って)ここまでミクロな視点でしか捉えないのか? 「2人の救出劇を軸に」ではない。 「2人の救出劇しか」描かれていない(それも極めてありきたりな見せ方で)。 たとえば20年後、こんな映画一本でかほど重大な事件の全容を伝えられると思いますか? 政治的な云々ではない、某かの陰謀がどうこうではない。そういうことを伝えろと言うのではないんです。ただ「旅客機を高層ビルに体当たりさせて罪もない多くの人々を殺めた凄惨なテロ行為」という「基本的な状況説明」ですら観る側に頼り切っている。 「旅客機の激突シーンやビルの崩壊シーンなどの衝撃的な(もしくは事件の全体像を把握できる)シーンは、貴方がニュース番組で観た(相当数の)映像を観客の側それぞれで補完して、自分で完成させてください」というスタンス。 こんな手抜き、許されるのだろうか??? たとえば「これが阪神大震災の現場です」って言っても区別がつかないだろう。 記録映画としては使い物にならない。 ヒューマンドラマとしては深みがない。 パニック映画とも呼べない。 「タイムリーであること」転じて「みんなが知ってる流行り物」みたいな扱いだ。 こんなので何が伝わるのだろう。 オリバー=ストーンともあろう監督が、なんという駄作を。。。 もっともっと「渾身の力を込めて」制作すべき題材ではないのか? そういう意味で、あの壮絶な現場で苦しんだ多くの人々に対する冒涜にすら値するのではないかと思えてくる。 2点。 |
|
とっすぃ さんの 最近のクチコミ・感想
ワールド・トレード・センターのレビュー一覧を見る
|