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タイトル名 |
シラノ・ド・ベルジュラック(1990) |
レビュワー |
レインさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2009-06-16 02:55:16 |
変更日時 |
2012-07-13 17:30:37 |
レビュー内容 |
実在のシラノよりロスタンの戯曲の彼の方が、遥かに人間味をもって迫ってくる。 自分の容貌に自信がなく思う相手に告白できないというのは、人間だけが持ちうる繊細な感情であろう。 本能的に秀でたものを求める生物の一員でもあるが故に、外見と内面の狭間で揺れ動くのもまた人間。 美しく生まれながら才の無さを嘆くのも人間なればこそ。 三人三様の思いがロマンを呼び、自分に赦された領分でロクサーヌに愛の花を降らせるシラノには心うたれる。 気風よく剣の腕前に優れ、類まれな詩心を持ちながら小心ともいえるシラノを、巨漢ドパルデューが演じているのがまたよい。 容姿ゆえ母親からも疎まれたシラノの、幼少よりただ一人の女友達であった従姉妹ロクサーヌ。 彼女が美男子クリスチャンに惹かれながらも、シラノの言葉にこめられた心を解する女でもあったために、最後の最後で彼の思いが報われたことは喜びたい。「さらば ゆかしき君 懐かしき君 無二の君」 |
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