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タイトル名 |
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 |
レビュワー |
ばびぃさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2013-11-14 09:38:00 |
変更日時 |
2013-11-14 14:33:46 |
レビュー内容 |
◆上映直前まで試写評やレビュー記事も全く出てこない、情報統制がなされていた本作。実のところ、期限ぎりぎりまで手を入れていたと言うだけあって、インパクトは想像以上の仕上がりだった。◆「叛逆」というキーワードがタイトルにある以上、世界観をひっくり返す事は想定されていたが、謀反を起こしうる人物はある程度限定される。動機が予想と大きく異なり、最後まで見事に騙された。◆前半の至る所に不自然なカットを紛れ込ませてあり、見る度に発見のある芸の細かい作りに圧倒された。特に印象的なのは「不気味な飛行船」と「おかしな遠近感を含んだ描写」。空飛ぶモノはジブリの専売特許だが「夢と希望」から「絶望」を示す小道具として秀逸。遠近感も、ありえないモノがさりげなく描かれており、舞台空間の異常性を的確に表現している。◆前作までの観客を驚かせるエンタテイメント部分も忘れていない。主要人物5人そろい踏みやお菓子の魔女の活躍などの展開が楽しい。5人の変身シーンは影絵やコラージュに動きの多いデジタルアニメーションを足すという、20世紀から21世紀をまたぐアニメ技術史的表現が印象的。◆この作品の売りである「異空間」表現はさらに尖鋭さを増し、体感的には上映時間の7割以上を占めている感も。予算と時間が許すならこの空間のクリエイターである「劇団イヌカレー」を主にした3D作品をぜひ見てみたい。◆アクションシーンも異空間と言う事で物理制約にとらわれないアクロバティックな表現が見事。特に中盤の銃撃戦は「マトリックス」を思い出した。このシーンだけワーナーの洋画で実写として使ってくれないかな。◆後半のネタバラシが「キュゥベェ大いに語る」状態であることは減点。難解な用語の嵐になってしまった。ここで振り落とされた人も多いのでは。あと2~3分足してでも、絵で見せて欲しかった。◆既存作の評価と固定観念に対する作者たちの叛逆。そう読み取れば、本作は完結ではなく、「マギカ・サーガ」の始まりかもしれない。◆オスカーレースにもエントリーしたようだが、明らかな異色作。ファイナリストに残る可能性は厳しいだろうが、日本アニメーションの叛逆児として暴れて欲しい気もする。ジブリだけではないのだと。 |
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