|
タイトル名 |
あの夏、いちばん静かな海。 |
レビュワー |
ミスター・グレイさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2009-08-28 18:36:26 |
変更日時 |
2009-08-28 18:38:00 |
レビュー内容 |
主人公は耳が聞こえないですが、これは耳の聞こえない者の物語ではないようです。つまり言葉なんてのは、さして重要ではなく排除しても差し支えないものであるから、主人公から台詞を奪うために、あえて耳を聞こえなくしたのではないかと思います。実際、ほとんどの台詞が無意味でしょうもないもので、例えば、バスで距離がひらいた恋人二人が歩いて再会するシーンだけで台詞など無くとも充分に物語っているのです。 さらに、ラストの楽しい思い出のようなシーンの数々は作中では省かれてしまっています。強面の河原さぶさんがトロフィーを手にし嬉しそうに酒を飲む姿などは感動的で、普通なら本編に挿し込んで簡単にお涙頂戴モンにしそうなものですが、そんなことはせず、ただただ黙々と歩き移動する姿を映し続けていて、それでも胸に響いてしまうところが凄いです。 ・・・と言っておきながら、私のお気に入りのシーンは思い出の方に近い、彼女がサーフボードの後ろを持ってあげるところだったりします。サーフボードが持ち上がり二人が顔を合わせニッコリと笑うのが微笑ましいですし、それを後で男のコンビで笑いとして使ってしまうのも良いですね。 それから、これは海の映画なんですが海そのものよりもビーチの方が魅力的に見えます。 |
|
ミスター・グレイ さんの 最近のクチコミ・感想
あの夏、いちばん静かな海。のレビュー一覧を見る
|