|
タイトル名 |
丹下左膳餘話 百萬兩の壺 |
レビュワー |
ミスター・グレイさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2010-01-08 18:36:13 |
変更日時 |
2010-01-08 18:46:26 |
レビュー内容 |
この完璧な映画の中でも一番ウナってしまったのは〝間〟の使い方です。 一つにはそのリズムの〝間〟で、例えば笑いをとるシーンにしても、そのテンポは数十年たった今でも決して時代遅れではなく、カット変わりには発言していた事と逆になってしまうというシーンを重ね重ねで見せるのですが、そこにはついつい「そらきたっ!」と言いたくなってしまう絶妙な可笑しさがあります。 もう一つには空間の〝間〟で、例えば壷を売りたい人が押し寄せているシーンで、カメラが横移動すると長蛇の列が映し出され、さらに豆粒のような左膳がちょび安を止めようと観客側に向かって必死に走ってやって来て、またもや「そらきたっ!」と思わず拍手したくなってしまうような楽しさは実にサスペンスフルです(ここは特にスクリーンで見たい)。さらに家の横通路や裏路地の長さ等々、奥行きのある距離感も素晴らしいです。 ちなみに私の最も好きな〝間〟は源三郎が自分の屋敷で金魚釣りをする、まるで眠った亀を観察しているような退屈極まりな~いあの天国の如き空間です。 |
|
ミスター・グレイ さんの 最近のクチコミ・感想
丹下左膳餘話 百萬兩の壺のレビュー一覧を見る
|