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タイトル名 |
二十日鼠と人間(1992) |
レビュワー |
ミスター・グレイさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2005-11-06 17:10:08 |
変更日時 |
2006-12-19 18:06:53 |
レビュー内容 |
映画は鉄道内から始まり鉄道内で終わるが、下車は現実社会との繋がりを連想させる。農場ではジョージとレニーに周囲との距離感を持たせ、弱者が蹂躙される厳しく残酷な世の中で唯一無二の存在であることが強調される。そして二人が飽きずに夢の語る様子は稀有な友情を手にしているだけで満足だった事を伝え、全てを喪失する悲劇的な結末へ向かうあたりが巧い。言葉数少なくもゲーリー・シニーズの哀しげな表情は雄弁であり、賢いジョージが夢は夢に過ぎない事もレニーがいつの日か起こす問題にも感付いているように思え未来を予見させる。キャンディ老人の犬の死もその伏線となっているが、そこにはペットの犬とレニーとを同一化してしまう危うさもある。しかしジョージとレニーは主従関係ではなくあくまで対等に描かれ、モラルだけではどうにもならない現実世界での二人の友情に逆に温かなヒューマニズムを感じ心に深く残る。 役者陣も熱演でありシニーズ、マルコビッチ共に印象深い。特に舞台の演出家としても名を馳せているシニーズは同スタインベック作品『怒りの葡萄』の舞台でも高評価を受けたそうで自ら監督を勤めた今作は渾身の一作だったに違いない。 ちなみに39年のオリジナル版はさらに素晴らしいが、ジョージの解釈に限っては本作の方がレニーの必要性を感じしっくりとくる。 |
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