|
タイトル名 |
泥の河 |
レビュワー |
Roxyさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2005-11-02 07:45:33 |
変更日時 |
2005-11-02 07:45:33 |
レビュー内容 |
望んだわけでもないのに苛酷な家庭状況の中で生きていくしかない少年と,まるでちゃぶ台のようにこぢんまりとした,しかし暖かな家庭で育った少年。束の間の出会いが2人の影を交差させ,やがて別れが訪れる。幼くつたない彼らには,友情という大人の言葉はさして意味を持たないかもしれない。それでもあの別れの日,「きっちゃん!きっちゃん!」と叫びながら,去っていく廓船をどこまでも追ったあの日の記憶を信雄は忘れることはないだろう。それらはいずれ色あせていくが,決して消えることはない。それにしても痛切な別離を知るには,彼はあまりにも子供だった。そんな彼のために観客である私にできることといえば,彼とともに涙を流すことだけである。 |
|
Roxy さんの 最近のクチコミ・感想
泥の河のレビュー一覧を見る
|