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タイトル名 |
僕はラジオ |
レビュワー |
パブロン中毒さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-01-09 17:47:30 |
変更日時 |
2006-01-14 15:34:03 |
レビュー内容 |
「映画」の目的には「言葉だけでは伝わらないことを表現する」とか、「現実にはあり得ないものを見せる」とか色々あると思いますが、「映画くん」の最も強烈な得意技はこれでしょう。「映画になっちゃった」「映画になったんだって」。つまりは「プロジェクトX」の大規模拡大版のようなもののこと。「僕はラジオ」は、「作り話」で人の心を動かす「映画」とは目的が違うので、他の「映画になっちゃった」作品と比べても、より「プロジェクトX」的な作品なのです。そのため、どちらかというと「作り話」としての完成度を期待する観客には満足のいくものではありません。地元高校の強豪アメフトチームという、誇らしいアメリカの象徴ともいえる、最も日の当たる位置にいるコーチと、黒人で貧乏で母子家庭なうえ障害者、という「最も日の当たらない」青年ラジオが結びついてしまうことの皮肉と不思議を感じました。 「闘う男と応援する女」という、もはやアメリカ人のDNAともいえる構図を実践しているコーチですから、ラジオのような日の当たらない人間に心を寄せるのは「作り話だとしたらあざとすぎ」ますよね。ところが事実は小説より奇なりで、そこにはちゃんと納得のいく歴史があったのです。私は映画の役割のひとつとして、「映画になっちゃった」は「アリ」だと思う。「ボーイズドントクライ」「モンスター」のような悲惨系のものはヤだけど。ぽん太さんのように、「ラジオが何かやらかすのでは」のイヤーな緊張感には確かに縛られました。デブラの姿を拝むことができてよかった。キューバはすごい、の一言。脚本・演出がかなり抑えてあったのは「プロジェクトX」的であるから当然。 |
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