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タイトル名 |
トリコロール/白の愛 |
レビュワー |
パブロン中毒さん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2008-12-27 15:40:24 |
変更日時 |
2008-12-27 16:12:05 |
レビュー内容 |
そもそもの前提がまちがっているというか、離婚の法廷で性的不能を公言されたからといって、人格を全否定されたことにはならないのではないだろうか。 そういうふうに感じてしまうカロルのほうに問題があるのだと思います。 男性はそんなに性的能力にこだわるのはやめたほうがよくて、「セックスをしてくれない男だから嫌だ」というより「カロルが嫌だ」なので、女は追い払いたいからそう言うのです。 なので私はカロルの絶望は「勘違い」とか「考えすぎ」であるということにします。確かに、放火犯にまでしようとするドミニクはかなりひどいですが、そうでもしなければカロルを追い払えないからでしょう。 すると、その後のカロルのしたことは全部無駄な努力です。そして、ところどころで、ドミニクへの復讐を忘れて楽しく生きるチャンスがあるのになあ…というふうに感じられてとてもバカバカしいですね。 たとえば、ミコワイに空砲を撃ってやって彼の人生を救った時点。彼は他人のためになることができるのです。ここで方向転換したらいいのに。 出発の朝。ちょっとヌケている人のいい兄貴がチェリーのジャムを持たせてくれたとき。家族はありがたいじゃないですか。死んだふりなんかやめたらいいのに。 この話に徹底して欠けているのは「母」的なものです。カロルの母はたぶん死んでいるから出てこないし、ドミニクの母も出てこないし、二人の間に子供もいないから当然ドミニクに母性もない。 乙女の胸像を崇めるカロルは、たぶん結婚相手を偶像化し、セックスできなくなるのです。なおかつ私は、この話のどこにも存在しない「母なるもの」をも、妻に求めていたのだと思う。なおさらセックスなんてできません。 さて、首尾よくドミニクを罠にはめ、「これでイーブンになった(から愛し合える?)」と思っているカロルはドミニクに愛してもらえるのか。根本の原因を反省していない彼はまた追い払われると私は思いますが。 |
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