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タイトル名 |
ラヴ・ストリームス |
レビュワー |
Nbu2さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2024-12-15 18:18:48 |
変更日時 |
2024-12-15 18:18:48 |
レビュー内容 |
80年代の世界映画史に残る一本として、初見の20代と比べて著しく私の中で評価が変わった作品。個人的には監督カサヴェテスは初監督作品「アメリカの影(’59)」からテーマとして愛のディスコミュニケーション・断絶を主題として掲げてたんじゃないかな、って気がしてるんだけど、実質的な遺作となったこの作品は彼の作歴上「話の通じなさ」という点で極限まで行っちゃった感が今回の鑑賞でもろ響いたのでこの点数。愛を描写した作風で人気のある作家主人公が実は人を愛する事に不慣れで、人との関わりを持ちたくないと思っている皮肉。そこへ夫と離婚し、娘と別れたばかりの姉が転がりこんでくる。肉親間の愛情で癒され埋められたであろう傷は、お互いのプライドからますます増大し精神の崩壊まで招いてしまう。嵐の夜若い男と出てゆく姉を主人公は止めることもできない。 インタビューで監督カサヴェテスは制作のきっかけを苦しい時に支えてくれた愛妻ジーナ・ローランズの為、と述べてるけどこの壊れっぷりは感服する。私Nbu2、初見の若い時は馬鹿じゃないかと笑ってみてた簡易動物園の下り、そして有名な夢の中のバレエシーン。「常人では思いつかない様な行動心理に至ってしまっている」凄み、それを表現しているジーナ・ローランズの演技力だったんだよな。こんなシーン、そりゃメジャー会社傘下の作品には描写できない。そしてもう一点印象的だったのは、夫カサヴェテス作品において愛妻ローランズは全く女傑ではなかった事。「外見は空威張り、だけど内面はシオシオ」な二面性が若い時分には見えてなかったのよ。最大のヒット作「グロリア(’80)」だって銃持ってマンハッタンを歩き回る印象が強かったけど、年取って印象的なのは子供をかくまったモーテルの一室で一人煙草吸ってドナイショとしてるシーンだもんね。今年2024年も年の瀬近づいている中数多くの映画関係者が逝去しましたが、私の映画人生において大きな影響を及ぼした「アメリカインディー映画界のミューズ(女神)」、今年8月に天国に向かっていった彼女への遅ればせながらこれが追悼レビュー。私の人生に彩を加えてくれてありがとう。 R.I.P Gena Rowlands(1930 - 2024) |
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