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タイトル名 |
フェーズ6 |
レビュワー |
目隠シストさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-05-01 19:37:52 |
変更日時 |
2012-05-01 19:37:52 |
レビュー内容 |
感染した兄を切り捨てるシーン。車の鍵をあらかじめ外していた事から、兄は弟たちの行動を予測していたと推測できます。そもそも彼が作ったルール。でも助かりたいのなら、銃の弾も抜いておけばいい。兄がそうしなかったのは、弟に自らを撃ち殺してもうらう為だったと考えます。弟の手にかかって死にたい。さらに弟に生き延びるために必要な覚悟を植え付けるため。兄から弟への最後の餞でした。しかしその思いを、弟は受け取っていたとは思えません。兄を荼毘に付した直後、弟は自らのマスク焼き捨てています。もういい。こんな生き方は沢山だと。彼は海に辿り着ければ、それでよかったのだと思います。そもそも希望なんて最初から無かった。しかし感染後の兄と接触しながら、弟は発症していません。彼はウィルス耐性を持つ“選ばれし者”である可能性が出てきました。これは本作で示された唯一の希望。抗ウィルス剤を研究する医者も、感染した娘を持つ父親も、結局手に出来なかったもの。しかしそれでもなお、弟の口から前向きな言葉は聞かれません。今まで失ってきたものが多過ぎるということ。親、兄、そして、良心。でもそんな人の心とは無関係に、砂浜はあくまで美しく、波は絶えることなく打ち寄せてきます。希望があろうが無かろうが、人に出来るのは生きることのみ。いや、生きようと願うことのみ、なのだと思いました。 |
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