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タイトル名 |
デビル(2010) |
レビュワー |
目隠シストさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-03-01 22:51:12 |
変更日時 |
2012-03-01 22:51:12 |
レビュー内容 |
密室はミステリーの大定番。とりわけエレベーターは私たちの最も身近にある密室の一つです。数多くのミステリーやサスペンス映画に採用されてきた優秀な舞台設定。エレベーター自体が人を襲うなんていうブッ飛んだホラーもありましたが(邦題『悪魔の密室』又は『ダウン』)。密室形成が簡易であること、高所に吊るされている不安定な状況、形状から来る閉塞感といった長所を有する反面、その極狭のフィールドゆえ展開や可能性が限定されるという短所も併せ持っています。優秀な作品は洩れなく長所を活かしていますし、イマイチな映画は短所を克服できていない印象があります。本作の場合は、後者に該当すると感じました。本来は正統派のオカルトホラー。サプライズを狙った映画でない事は明白ですが、それでも人間犯行説が早々に潰されてしまうのは脚本上の欠点であると考えます。例えば、“ある女の殺害をカモフラージュするために仕組まれた連続殺人だ!”との推理が披露されますが、それを納得する観客はいません。わざわざ故障中のエレベーター内で殺人を敢行する必然性など皆無なのですから。そういう意味では、このウィークポイントを補えるアイデアがあれば、傑作に化けた可能性はあると思います。基本となる物語の骨格は骨太でした。結末はシャマラン監督らしく人間愛を感じさせるもの。あの男に対する赦しは、主人公自身に対する赦しでもありました。復讐大好き韓国映画では、あのような結末は望めないでしょう。 |
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