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タイトル名 |
パラドクス |
レビュワー |
目隠シストさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2016-10-15 19:24:03 |
変更日時 |
2016-10-15 19:24:03 |
レビュー内容 |
(ネタバレありますので未見の方はご注意ください。些細な情報もシャットアウトして観る方が絶対におススメ。予告編も観ちゃダメです……)閉鎖空間に閉じ込められ、出られなくなる主人公。既視感のあるソリッドシチュエーションスリラーで、日本でいえば『世にも奇妙な物語』にありそうな一編。この手のお話は、状況設定の奇抜さがセールスポイントで、“オチ無し”が結構当たり前。その点、本作は腑に落ちる結末を用意してくれた分、良心的かと。劇中で現象の解説は為されているものの、解釈の幅はありそう。ということで私なりの理解を述べたいと思います。 この不思議空間の法則は終盤2人の老人の口から語られる通り、前半35年、後半35年の2部制が採用されています。閉じ込められる空間は全く異なりますが、イベントやルールは同じ。爆発音、人の死、役割演技、死の間際での気づきとバトンタッチ、サバイバル要素なし……。「閉じ込められた世界での肉体的・精神的状況は現実世界でも反映される」「閉じ込められた私たちは本物の自分たちのために酷使される」、それに「この世界には自分のほかにもう一人」。これらの状況から推測される「不思議空間」の真相は「自我の世界」ではないかということ。相方はさしずめ“超自我”さんでしょうか。少々自我の確立時期が遅い気もしますが、みなさん大器晩成タイプなのでしょう。若者時代の前半35年は幸せだが、年配者は過去に囚われて生きるので後半35年はキツイという理屈には異を唱えたいものの、本作で提示されたサンプルは最終的に皆現実世界で「自殺」を選択しているため、「うまく自我をコントロール出来ない人生は地獄ですよ」という事かもしれません。私もまさしく人生の後半戦に入ったところ。肉体的にも精神的にもグッドシェイプして“健康に”乗り切りたいものです。 |
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