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タイトル名 |
老後の資金がありません! |
レビュワー |
目隠シストさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2022-09-04 22:49:40 |
変更日時 |
2022-09-05 18:29:07 |
レビュー内容 |
タイトルを補足するなら、【喜劇】『老後の資金がありません!』【さてどうしたらよいでしょう】。まず本作を語る上での最重要ファクター【喜劇】部分について感想を。正直言って驚くほど笑えませんでした。ずっとムカムカ、イライラしっぱなし。理由は明白です。主人公に共感したから。それだけ篤子さんの境遇は一般的であり、悩みにリアリティがあったということ。マイホームローン残ありとはいえ、子どもを2人仕上げて預金700万とか立派なもんです。だから預金残がみるみる減っていく様が我が身を切られるように辛くて。葬式のような必要経費はまだしも、オレオレ詐欺で大金を失うとか、マジで洒落になりません。3日くらい寝込む金額ですよ。それに夫婦して失職とか、この状況でどう笑えと。結局のところ『男はつらいよ』や『翔んで埼玉』が笑えるのは所詮他人事だからです。身も蓋もない言い方ですけど。多分監督もそれを分かっていたから殊更「これはコメディですよ。笑って大丈夫ですよ」アピールをした気がするのです。じゃなきゃ怒り心頭の篤子さんの顔に赤面&湯気のエフェクトなんて掛けないでしょうよ。大女優に対し演技力が足りないと云わんばかりの失礼な演出ですから。それでも篤子さんが姑さんと打ち解けてからは大分落ち着いて観られた気がします。とくに生前葬での篤子さん(嫁)への謝辞は、お世辞半分だとしてもグッと来ました。姑さんも根が悪い人じゃないわけですし。「我侭した方が勝ちよ」は苦労した人じゃないと言えない台詞ですから。 次に【さてどうしたらよいでしょう】の部分。答えから言うと「見栄なんか捨てて身の丈にあった暮らしをしましょう」でした。言い換えるなら「支出を減らしましょう」です。結局主人公はマイホームを手放し、シェアハウス暮らしとなりました。至極真っ当な意見です。現実的な選択だとも思います。しかしあまりに残酷な答えにへこみました。後藤家の皆さんは姑さんと違って浪費をしていたわけではありません。堅実に日々暮らしてきただけ。なのに終のすみかを手放せなんて酷すぎませんか。シェアハウスが悪いとは言いません。実際、後藤家の皆さんは笑っていました。しかし共同生活に合う人もいれば合わない人もいます。決して万人向けの解決法ではありません。それにこれって要するに「共助のススメ」ですよね。基本は自己責任。ヤバくなったら国民の皆さんで相互に助け合ってね。決して国に頼らないように。そんなメッセージをオブラートに包みまくって言われた気がするのですが。もしかして制作費にお上の資金とか入ってたりしますか?物価の安い外国へ移住なんて結末なら、半分ブラック半分マジのジョークとして成立した気がします。普通の人が普通に暮らして普通の幸せが手に入らないのなら、それは何かが間違っていると思います。 |
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