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タイトル名 |
未来世紀ブラジル |
レビュワー |
θさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-12-20 13:34:27 |
変更日時 |
2012-03-12 00:10:10 |
レビュー内容 |
■これはまさに管理社会の典型だろう。サムは反抗者ではあるが同時に支配者の歯車でもある。国民が歯車となって管理社会を支えているから、管理社会は成り立っている。これは、サムライから自分の顔が出てくるところにも象徴されている。焼けた車から脱出する政府側の人間も普通のおじさんであった。
■類似した映画「1984」と比較してみると、あちらではビッグ・ブラザーという独裁者の存在が直接的に描かれているのに対し、こちらでは直接的な支配者というものが描かれていない。あえていえば、社会構造ならびに自身の中に権力者は隠れている。こうした描き方には、フーコーの思想を思い起こさせるところがある。
■とまあ、いろいろと興味深い作品ではあるのだが、個人的にはエンターテイメントとしてはあの雰囲気になじめず、興味深さだけで140分は長すぎる。ただ、「ガタカ」と比較して映像が醜い、創造力がないという批判には疑問。この映画は、そもそも「1948年に思い描いた1984年像」というテーマなのだから、変に古臭い未来、ごちゃごちゃした醜い未来であるのは必然だと思える。 |
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