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タイトル名 |
おくりびと |
レビュワー |
すねこすりさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2009-09-24 11:22:18 |
変更日時 |
2009-09-24 14:17:54 |
レビュー内容 |
脚本(シナリオ)を学ぶ者として一番強く感じたことは、この作品のシナリオは、シナリオ学校でお手本として使うに格好の作品であるということです。セリフで説明するな、と耳タコなほど言われるわけですが、この作品における最大の見せ場は、広末さん演じるところの妻のセリフ「夫は納棺師なんです!」なのです。これを、夫婦の会話として「私が間違ってたわ。あなたは納棺師という仕事に誇りを持ってるのね」などとやってはペケなのよ。また、展開においても、小道具の有効な使い方、主人公の変化と、まあ、典型的なほどにキチンとされており、これ、ヘンな授業を聞かされるより、よっぽど良い教材となり得ます。そういう意味では、これが初シナリオだという小山氏はさすが構成作家としてその素養をキチンとお持ちであったことには感心の極みであります。反対に、ニュース映像で、アカデミー賞のレッドカーペットに小山氏がおらず、監督・出演者に混じり、謎の男がいることに激しく疑問を抱いていたところ、後日、その謎の男がTBSのお偉方だったと知り、もの凄く怒りを覚えたことも事実であります。小山氏のスケジュールの都合だったのか否か知りませんが、だとすれば尚更、TBSの人間は遠慮しろよ、と言いたい(これについての監督・主演者の見解も是非知りたいところ)。そして案の定、脚本家の大石静氏も氏のブログで「だから最近のTBSはダメなんだ」と吐き捨てておられたが、これが脚本家(シナリオライター)の現実なのです。この地位の低さ。出来がよければ監督の手腕、悪ければ脚本家の罪なのです。・・・ですが、この作品に対しては違和感も強く感じています。最初から最後まで、見ている人間の心に何の引っ掛かりなく、サラ~ッと流れていってしまうのです。すべては、前述のように「良いシナリオ」の要素を全部備えるがために、キャラの配置、ストーリー展開されたように思います。小山氏が、何がツボかを知り尽くしているがために起きた現象ともいえるかも知れません。いえ、そういう作り方でもゼンゼン問題ないのですが、見ている人間に、その作為的な何かを感じさせるのはいかがなものでしょう。監督の力量もその辺りをカバーしきれていなかったということでしょうか。ネタ本となった著者の納棺師の方が、クレジットで名前を出さないよう要請したことに、頷けるものがあります。 |
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