|
タイトル名 |
群青の夜の羽毛布 |
レビュワー |
すねこすりさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2013-10-15 22:20:54 |
変更日時 |
2013-10-15 22:26:03 |
レビュー内容 |
キャストがなかなか良いだけに、非常に残念。もう完全に、脚本と演出の敗北作品。原作への愛が全く感じられないどころか、読解力を大いに疑うね、マジで。原作の映画化である以上、原作とは別物として見るべきだろうが、本作は原作でのキーワードがことごとく無視されてしまった結果、このような、何だかよく分からない代物になってしまった、という気がする。何より、一番マズイと思うのは、さとるが鉄男に父親の本当の姿を見せるに至った心理描写。これは、原作では鉄男がさとるにプロポーズするという重要なファクターがあったからこそ、さとるが「賭けに出た」のであり、その成り行きがなければ、どうしてさとるがあんなことをしたのか、観ている者たちはおいてけぼりもいいとこだ。それでいて、「森を出よう」なーんていう、ちょっと洒落たつもりなんだろうが、まったくの意味不明なセリフを鉄男に吐かせたりする。ここは普通に「家を出よう」で十分でしょう。家を森にする意味が、その後の展開にも何ら効いていないのが、ますますこのセリフを浮かせている。本上まなみさんは、さとるのイメージには合っていたけど、芝居はかなりイマイチ。多分、彼女の技量ではなく、演出が悪いのだと思う。玉木宏はなかなかかな。藤真利子さんはさすがだけど、ラスト近く、さとるが灯油を撒いているところで「あれは嘘だから・・・」なんつって、鉄男と寝たことを否定しているのは、あの母親のキャラからしてかなり違うでしょう、と、これまたツッコミたくなる。・・・いずれにしても、本作は、母娘の根深く逃れ難い確執を経験し、なおかつ、原作を読んでいる人でないと、かなり共感&理解は難しいと言えるのではないかしらん。私には、さとるが母親に対してブチ切れた気持ちが手に取るように分かり、家に火をつけた気持ちも嫌ってくらい分かってしまい、逆に痛かったんだが。ちょっと、評価に困るけど、玉木の好演に+1点。 |
|
すねこすり さんの 最近のクチコミ・感想
群青の夜の羽毛布のレビュー一覧を見る
|