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タイトル名 |
ブラックブック |
レビュワー |
やわらか戦車さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2007-09-25 14:08:46 |
変更日時 |
2007-09-25 14:10:22 |
レビュー内容 |
ヴァーホーベン監督の良い持ち味は、なんといっても「エグさ」と 「いい意味での常に客観的な視線」にあると思います。 戦争やユダヤ迫害を描いた映画はたいてい、よく言えば「感動」「生きることの素晴らしさとそれを奪われる理不尽な悲しさ」を描いたものが多く、でも、ぶっちゃけ「主観的すぎ」「子供とかだしてこられたら、そりゃ誰でも泣くわい!!」「テンポ悪い」等の感想を抱きがちでもあります。(日本の8月前後にわんさか放映される戦争ドラマがいい見本でしょう)
この「ブラックブック」に関して言えば、とにかくものすごいテンポがいいです。 大変残酷なことが次から次へと起こるにも関らず、感傷的なシーンはほとんど ありません。その代わり、エロシーン・脱ぎまくりシーンは多いです(笑)そして、ユダヤ人・オランダ人(レジスタンス)・ナチス・英米軍、、 どの立場に対しても、必要以上に偏って味方をしている映画ではありません。というかみんなそれぞれ、嫌~~なやつと普通の人が混じってる。 この「公平さ」って単純にすごいなぁ~~と思いました。 「どこにだってワルはいるんだぜ。ナチスだけ、 戦争そのものだけ憎んでも戦争はなくならない。人間の中の悪がなくならない限り・・」というメッセージが明確にわかりやすく伝わってきます。 そして、ヴァーホーベン監督はこの映画でも、女性に対して、いつもの通り(笑) 脱ぎ散らかしまくり、下世話なシーンいれまくり、なのですが、 なぜかいつも、「この人ってもしかして、本当はフェミニストなんじゃないのかな」と 思わせてくれます。だって、監督の映画にでてくる女性は本当に、いつも、たくましく、強く、ずる賢く、本当の物事を見定める鋭い眼を持っていたりします。 エグイシーンのせいで、女性や良識ある男性からは 嫌煙されがちな映画かもしれませんが、生きることの本質的なものを本当にリアルに 描いていると思います。下の毛を染めているシーンに拍手です。染めなくても 手入れはみんなああいう風にしてるんだい!! |
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