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タイトル名 |
グラン・トリノ |
レビュワー |
仏向さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2009-11-05 23:25:02 |
変更日時 |
2009-11-05 23:25:02 |
レビュー内容 |
白人支配のアメリカの終焉を描いた映画。 主人公は元フォードに勤めていた黒人、黄色人種に差別意識を持つ頑固ジジイ。 この爺さんは昔朝鮮に戦争に行っており、特に黄色人種に対する差別意識(逆に言えば罪の意識)が強そうだ。 しかしその息子は皮肉な事に日本車のセールマンをしているという設定。 ところが隣の家に住んでいるモン族と交流を持つようになり、 この頑固ジジイの意識が変化しはじめる。 親しくなった隣人の若者が、同じモン族のギャングにヤキを入れられると 昔の西部劇のヒーローさながらに単身のりこみ暴力と銃で解決しようとする。 過去のヒーロー映画ならここで終わりなのかもしれない。 しかし、この映画では主人公のこの行動がさらなる惨たらしい悲劇を起こしてしまう。 そこで主人公考えに考えた末、自分が死ぬことにより事件を解決する方法を取る。 ここが主人公は決して死なず、最後は善が勝つという従来の西部劇とは大きく異なる。 主人公が愛したグラントリノはタオが譲りうける事になるシーンは、 フォード、GMなどが持つアメリカのブランドが中国系自動車メーカーに売られる事実を思い出させる。 初の黒人大統領が誕生したアメリカ。 クリント・イーストウッドは現代アメリカを非常に冷静に見ていると思った。 ※映画の本筋とは関係ないが、ラストであんなに風にギャングを挑発して 意図的に殺されて裁判で勝てるのだろうかと疑問に思った。
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