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タイトル名 |
おかあさん(1952) |
レビュワー |
仏向さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-05-18 12:01:52 |
変更日時 |
2008-05-18 12:01:52 |
レビュー内容 |
ある一家に起こる過酷な現実を重くならない演出で見せる作品。 この映画ではとにかく不幸な事が次々起こる。長男が病気で死に、これからという時に夫も死ぬ。加東大介演じる職人に手伝ってもらいながら、女で一つで家族を育てるが結局次女は養子に出してしまう。そして最後、旅行に行く先で田中絹代の体調が悪くなり、映画は香川京子がいづれ嫁に行き、おかあさんはほどなく死んでしまうであろうことを暗示して終わる。 とてーーも重い内容の映画なのである。 現代では子供を一人病気で亡くしたら、それでその後立ち直れないような精神的ショック(今なら鬱病とか)を受けてしまう母親も多いのではないのかと思う。 それでもこの映画ではたたみかけるような不幸がおかあさんを襲う。 が、それを感じさせない。 時代設定ゆえか、この時代にはこの年代まで育てた子を養子にやるのが普通なのかなぁなどと思ってしまう。子供が一人亡くなってただけでへこたれてしたら生き抜けない時代だったのかと想像する。 田中絹代の抑えた演技と、香川京子の可憐さとはっとするような仕草・美しさがこの映画のバランスをとっている。 だたし、少子化の現代においてこの映画を見ると違和感があるのも事実。 『浮雲』は陰鬱な映画であったのは確かだが、この映画も私にとって生と死について色々と考えさせられる映画でした。
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