|
タイトル名 |
ウディ・アレンの重罪と軽罪 |
レビュワー |
枕流さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-07-27 02:40:03 |
変更日時 |
2008-07-27 23:05:34 |
レビュー内容 |
数あるアレン作品の中でも、特にシリアスものとして位置づけられる作品。この映画を包み込む重苦しい雰囲気の中で、冴え渡るアレンのジョークはうまくスパイスの役割を果たしている。これがないと、この作品は重厚だが、若干平板な物語になってしまっただろう。 アレンはこの作品の中で人間の「罪」(sin)についての考えを観客に披露するが、それはおそろしくペシミスティックなものだ。最終的にこの映画が言いたいことは、「因果応報など存在しない」ということではないか?純愛は報われず、愛とも呼べぬ欲望に身を任せた者が繁栄するラストは絶望的で泣きたくなる。 厳しい視線で人間の哀しみ、滑稽さを鋭く捉え、絶えず自己の客体化を繰り返すアレンのコメディが面白くないわけが無い。この作品はアレンの卓越したコメディセンスを逆説的に証明している。 |
|
枕流 さんの 最近のクチコミ・感想
ウディ・アレンの重罪と軽罪のレビュー一覧を見る
|