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タイトル名 |
セブン・イヤーズ・イン・チベット |
レビュワー |
rakitarouさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2011-01-30 14:16:34 |
変更日時 |
2011-01-30 14:16:34 |
レビュー内容 |
何か物足りない淡々とした映画だな、という印象です。映画としては、文明国を離れた非日常的な生活、しかもヒマラヤの絶景と密教的な異文化の中で過ごしたことを物語るだけで十分面白さはあるのかも知れません。しかし描きたい中心がチベット文化なのか、若き日のダライラマなのか、中国のチベット侵略なのかがはっきりしない所が長尺な映画の割に何か物足りなさを感じてしまう所以なのだと思います。若き日のダライラマを描いた時点で当然中共のチベット侵略が映画の焦点として描かれない訳にはいかないのですが、描き方が肩透かし的で、中共軍によるチベット人の虐殺もダライラマの夢に出てくるだけ、チャムドの戦いもちょっとした砲撃でチベット軍は雲散霧消、指導者ンガワン・ジクメの降伏勧告があっさり描かれているだけです。この中国のチベット侵略はハラーを交えた物語の一部として映画で描くには、実はあまりに複雑で長期に及んでいるから簡単には描けなかった、というのが監督の本音ではないかと思われます。49年の中共成立、50年のチベット攻略宣言、51年の17条協定の強要、56年からのチベット動乱58年ラサ暴動とダライラマ亡命など実際には10年以上かかってじわじわとチベットの独立(自律的政権の消失)が行われてきた訳ですし、中国も当初は香港的一国二制度を西蔵といわれる地域には認めていた経緯などもあって、監督としては「まあこんなもんだろう」という感覚でチベット侵略を描かざるを得なかったのだと推測します。チベット併合の是非はともかく描かれた中国としては「許せない」という気持ちも多少理解できます。ただ他にチベット問題を取り上げたメジャーな映画がない現状では十分この点数の価値ありと思います。 |
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