|
タイトル名 |
スプリング・イン・ホームタウン |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-08-28 10:59:55 |
変更日時 |
2008-08-28 10:59:55 |
レビュー内容 |
韓国の『非情城市』って感じ。民族にとっての悪い時代を可能な限り美しく描こうとする映画。ロング主体の非説明的映画なので、たぶん読み取れていないところも多いだろうが。米軍の洗濯物を引き受け羽振りが良くなっていく主人公の家。洗うこと、洗っても消えない汚れのことがテーマとなっていく。父さんが朝鮮戦争の戦況を気にしていたのは、米軍の撤退を気にしていたからで、自民族が殺し合っている悲劇には無関心だった。父さんの赤ペンキの汚れはけっして消えない。消えない記憶の汚れは焼かなければならない。歴史とは、こういう洗い落とせない汚れが堆積したものなのだろう。少年の目を通過することによって、特定の時代の悲しみが人の世の哀しみにまで普遍化された。もっぱら夏の映画なのにこの題は、あの困難の時期が民族にとっての春であってほしいという願いか、それとも皮肉か。 |
|
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
スプリング・イン・ホームタウンのレビュー一覧を見る
|