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タイトル名 |
ティファニーで朝食を |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-07-31 09:44:38 |
変更日時 |
2012-07-31 09:44:38 |
レビュー内容 |
不幸の影のある過去、離れた家族(弟)への愛情、囚人の連絡係に知らずになってしまうお人よしというか少々オツムの弱い「可愛い女」、といったもろもろは、どちらかというとモンローの世界だった。モンローが亡くなるのはこの翌年。なんか時代が決定的に移ろったことを思わせる作品だ。一番それを感じたのはファーストシーン。早朝のニューヨーク、ひとけのない街角に車から降り立つオードリー、開店前のティファニーを覗きながらパンをかじる。まだ名前のつけられていない野良猫のようなヒロインを画面に収めながら、ムーンリバーが流れていくあのシーンで、アメリカ映画は60年代に入っている。このトーンは70年代にもつながっていく。しかしモンローの50年代とははっきり質が変わったように思う。都会生活者のコメディってのはずっとあったが、人間主体でどこの都市でもかまわないようなものだった気がする。しかし60年代になって都市そのものにも重心が掛かってきたんじゃないか。これはニューヨークの安アパートが舞台でなければならない映画だ(『アパートの鍵貸します』も60年)。相手役のG・ペパードってのがつまらないとか、M・ルーニーの“ゆによし”さんが一人で40年代やってる、とか不満はいくらもあるが、時代が変わったことを告げる冒頭シーンの抒情は捨て難い。それと猫で収めていくラストの情感、きっとあの猫にも名前がつけられることだろう。 |
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