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タイトル名 |
夜ごとの夢(1933) |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-10-28 10:17:49 |
変更日時 |
2010-10-28 10:17:49 |
レビュー内容 |
成瀬の映画を観て、よし明日から力強く生きよう、と励まされることはまずない。励まされるというより、愚痴を聞いてもらう気分に近い。出てくる男も、だいたい生活力がなさそうだが、これの斎藤達雄などその最たるもの。ダテなヒゲをつけてるところが、ますますダメソー感を強めている。子どもの亀のオモチャのマネしたりしてる。その彼がやっぱりダメだった、という、弱虫! いくじなし! で終わる話だ。その彼が人生で唯一楽しんだ草野球の場が、みずみずしく素晴らしい。ちょいと遊んでおいでな、と放り上げるみかんが野球のボールになるという、『2001年』を先取りしたようなツナギで入ってくるシーン。振り返ればどうしようもない人生だったけど、あの子どもと遊んだ一日を楽しめたならそれでいいか、と思っちゃう。どうも力強く生きられないんです、と愚痴を言ったら、いやいや、こんな男もいるよ、と答えてくれたような映画。 |
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