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タイトル名 |
松ヶ根乱射事件 |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2007-12-22 12:17:11 |
変更日時 |
2007-12-22 12:17:11 |
レビュー内容 |
見ながら思い出していたのは「ゆれる」の兄。どちらも、地方で暮らすことの息苦しさに、ゆっくりと追い込まれていっていた。田舎といっても小さな限界集落ではなく、いちおう鉄道は通っておりゲームセンターもある。限界集落ならもう助け合わなければやっていけないわけで、隣人を鬱陶しがる余裕もないだろうけど、この中途半端な規模の町では、他人のなかに埋没する自由がもうちょっとで得られそうなのに、顔見知りの隣人たちに取り囲まれて生きていかなければならない。これはなかなかきつい。父親がどこぞの娘を身籠もらせると「もう恥ずかしくって外を歩けない」ということになる。このうんざり感が、ボソボソとした語り口でじっとりと描かれた。ちょっと離れて眺めれば、うんざりも笑いになる。変なよそ者二人が触媒となって、それぞれのうんざりを危険に化学変化させていった物語ということか。どのシーンも自然な演技が楽しいが、金の延べ棒を持ち込まれた銀行員の対応の場、とりわけ二人が去ったあと周囲に対して力なく笑うところが実にうまかった。 |
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